日本昔話風のちょいもの悲しい雰囲気のお話。
見える人にはこのお話がとよいちに見えるんじゃないかな?www(とぼけ面)
ながのさんの絵に触発されて書いてみまんた><*
絵の内容に関係あるようでないし、何がしたかったんじゃ感すさまじいですがwww
……い、一応ながのさんにも喜んでいただけたんでアップしますwww
……ストレスたまってたんじゃー!!
ここ最近思うさま小説書けなくて……ストレスたまってたんじゃあああwww
熊と末っ子
とある森を守る11人の兄弟がおりました。ところが、お国の戦争に巻き込まれた仲良し兄弟たちは二つの軍に分かれて戦うことになりました。
森の神様は毎日、ときのこえで眠ることもできず、怒ってしまいました。
兄たちに弓を向けることさえ悲しくてできない末っ子は、森を一人駆け抜けました。だんだんと森は深くなり、暗くなり、もう末っ子のしらない森のようでした。こわくてこわくて泣きそうになりながらも走っていると、突然光さす野原に出ました。
末っ子は太陽の光に安心すると、膝から崩れ落ちるように草原にたおれこみました。
あたたかな大地が体を包み、目の前にはなぐさめるような小さな花。
やがては、小鳥たちまでが末っ子に歌をうたってくれました。ここはもう、いやなどなり声は聞こえません。悲鳴も聞こえません。末っ子は、ずいぶん久しぶりに心から安心して、眠ってしまいました。
やがて、末っ子は誰かの大きなうでのなかで目をさまします。獣の血のにおいがします。だけどそれは、戦のにおいではありません。生きるためのにおいです。
それを知っている末っ子は、おそるおそる、目を開きます。
そこにいたのは大きな大きな熊でした。誰よりも森が好きな末っ子は、そのにおいにこの厳しい森を感じます。
「あなたはこの森なのですね」
末っ子が質問をすると、熊はうなづきます。
「なら、僕を食べてはくれませんか?戦から逃げた僕は、家に帰ればきっと腹を切らねばなりません。どうせ死ぬのならば、この森の土になりたい。あの小さな花に力を与え、木々になって小鳥を癒し、獣たちに木の実を分け与えたいのです」
熊は黙ったまま、末っ子の目をただじっと見つめます。
「戦がそげあいにいやか」
「兄弟の血肉をくろうてまで生きたくありません」
そういって泣く末っ子に、熊はただ、うなづくだけです。やがて不器用そうに大きな前足で末っ子の頭を撫でました。末っ子も、熊のやさしさに安心してしがみつきます。熊は傷だらけで、しがみついた末っ子の着物を赤く染めました。
「生きるための戦は楽し。じゃっどん、意地(ぎろ)を通すだけの戦はなんの気持(きもっ)も生まん」
熊は立ち上がり、末っ子を抱いて戦場に向かいます。
熊にかかれば、あれほど深かった森はあっという間に過ぎ去り、戦場にたどり着きました。
大地は焼けて草木はなく、川のかわりに血が流れています。
「お前たちは、いったい何時(いっ)迄(ずい)戦をしちょっ。ただいまにやめねば、こん末子(しったれ)は返(もど)さんぞ」
煙たい空気を吸い込んで、熊は叫びました。しかし、誰にもその雄叫びは聞こえません。地位や名声、それしか彼らには見えていない。末っ子の姿でさえも。
熊は首をふりふりいいました。
「こけには心ある生(い)っ物(もん)はいない。またいつか、心ある生(い)っ物(もん)が現れる日まで、共にけ眠(ねぶ)っか?」
末っ子は、悲しげに戦場をふりかえり、静かな森を見て、熊の言葉に首をたてにふりました。
「そうか、お前のようにやさしい人間を抱(で)っけ眠(ねぶ)っなら、よく眠れそうだ」
そして、熊と末っ子はともに森へ帰ります。いつかまた、草木がこの大地を包み、心ある人間がこの広い草原に、争いのむなしさを透かし見るその日まで。
おしまい