ニューロフォリア リコリスの墓標【サンプル】
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リコリスの墓標【サンプル】

リコリスの墓標
R-18・とよいち A5/P40/400円

ricohyo_01.jpg


彼岸花畑で邂逅する
那須与一・土方歳三・島津豊久
彼岸花の墓標に遺恨を葬るべく。
島津豊久と土方歳三の決闘が始まる。
見守る与一は何を見出すのか。

嫉妬が嫉妬を呼び、とよいちがぷりぷり怒ったり
ラブラブえっちしたりお豊と土方さんがバトったり、なんかそういうお話。


 燃えるような朱の激しさに息を呑んだ。
 話に聞いていた涸れたはずの大地は燃え盛っていた。
 風が吹くとぶつかり合って薄い花びらや葉をこすらせながら、大地を覆いつくした植物が一斉に頭を振った。ざわざわと音を立てて燃え盛るのは命の炎だ。何もない大地に力強く根を張って、いつの間にか燃え立ち、わずかの日々を生きて燃え尽きるその花を、日の本では此岸との境を現す彼岸の花という。

 流水のごとく陽光をはじき、絹糸のようになめらかに波打つ黒髪を風になびかせながら、那須与一の細い指は樹の幹に爪を立てた。古木の肌はぱらぱらと崩れて、汗ばむ手にまとわりついた。いつも余裕の笑みを浮かべている顔も獲物の大きさに強張っている。
 燃えるような朱の海に一人立つ背の高い黒影。黒い西洋のコートを羽織ったその姿は影そのもので、いつも死の影を背負っていた。彼は人類廃滅を願う廃棄物だ。
 男が横を向くと縦に長い影に佩いた太刀の影が浮かび上がった。日の本武士である。豊久が今、誰よりも会いたいと願う人間だ。あの怪力巨人の豊久と刃を交え、薩摩特有の三尺を越える太刀をへし折り、傷を負っていたとはいえ、拳で打ち負かしたのが彼だ。
 豊久はずっと負けたのではなく、勝てなかっただけだと言っていたが、間違いなく彼が敵わなかった人間だ。胸の中で何かが煮えくり返っている。それは愛する人をやられた怒りでも悲しみでもない。もっと自分勝手な、心の底から湧き出でるようなむせかえりそうな感情だ。
「やだなぁ僕。嫉妬してやがんの」
 ふざけないとやっていられないな、と与一は苦笑した。
 あの日の光景をもう一度眺めているような気持ちになる。ヴェルリナの街を覆う戦火の中、ゆらりと動く黒い影。燃え盛る炎の音にかすれて聞き取りにくかったが、何とか聞き取ることが出来たエルフが教えてくれた名は、土方歳三だ。その瞬間に与一は心に名を刻んだ。
 妙に悔しかったからだ。豊久を殴り、豊久に殴られ、与一相手では絶対に起こらない組討をする彼に、嫉妬した。あの狂喜の笑顔を引き出せることがうらやましかった。
 豊久はきっと与一の夢を見ることがなくとも、彼の夢を見ることがあるはずだ。再戦せねばならぬ相手として。
 そこまで想い焦がれられているだろう土方を、与一は少し許せなかった。


――与一が嫉妬したり


「ほうら、無理すぅな……喉をつぶしたらどげんすう」
 与一が悔しさに泣きそうになるのを見て、豊久ため息をついた。いったい何が与一にここまでさせるのだろう。豊久にはそれが理解できないが、ここまで愛されるのは心地よかった。しかし、甘えてばかりではいけない。いつもの仏頂面に戻り、仕方がないなというように、わざと大きくため息をついてやる。手を伸ばして与一の脇を抱えて立ちあがらせた。与一の脇に差し入れられたその手は、大切なものを抱えるように優しい動きだった。
 立ち上がらせた与一を壁にもたせかけると、大きな体を揺らして豊久がやってきた。
「無理ぃせんでも、他がある」
 与一のマラを持ち上げて、股の間にゆっくりと己のマラを挟んだ。与一は豊久が辛い姿勢にならないように、豊久の胸にしがみついて背一杯足の爪先を立てる。豊久はその健気さに思わずほほえみながら、与一が楽になる様に壁に与一の背中を押し付けた。
「きつぅ閉めてろ」
「う、うん……」
 与一は照れくさそうにほほえむ。豊久はそっと人差し指で与一の玉を持ち上げると、ぴくんっと動いて与一が恥ずかしそうに声を上げた。
「与一の玉ぁかわいかの……ほれ、ぽってりと俺(おい)のマラの上に乗っかっちょる」
 豊久の大きな手が与一の腰を抱える。ゆっくりと豊久が動くたびに、与一のマラもこすれあがって、心地よさに目を細めた。与一の唾液と豊久の精液で、ずるずるとよく滑る。
 しかし、十九の男をつかまえて玉がかわいいだなんて、と与一は吹き出しそうになりながら唇を尖らせた。
「そういうこと言っちゃダメだろ!誰だってお豊のバカでかいマラと比べたら……自信なくしちゃうんだぞ?」
 豊久は笑いながら上半身を倒して、長い与一の前髪を持ち上げて額に口づけた。
「すまんの……いつもつきあってもらって……」
 やけに素直な豊久の体に抱きついた。

――ラブラブえっちしてみたり

 その腰にぶら下げた異様な大剣を見た時、土方は額に汗を浮かべた。
「……なぜ、刀で来なかった」
「アァ?おまぁにポッキリ折られたからだろうが」
 豊久の表情がみるみる悪がきのそれに変わっていく。
 顔を見合わせた瞬間、空気が変わった。しかし戦場のそれではなく、どことなく穏やかな雰囲気に与一は目を丸く見開いた。
「ようやく見つけた代わりがこいじゃ、我慢せい」
 そう言って、軽々と抜き放った大剣を肩にかついだ。刀の波紋とは全く違う、鋼そのものの鈍い輝きの武骨さが、あんまりに豊久に似合っているので、思わず土方は笑った。
 そしてしばらくの沈黙。殺気がざわめき立ち、それに誘われたのか強風がサッと二人の間に吹いた。
 彼岸花の花びらがまるで海面の飛沫が散るように一斉に空に舞う。
 大柄な男二人が消えた。
 木枯らしのように花びらを巻き込んで渦巻く風の中、火花が散る。
 前面に巨大な鉄塊を押し出して、体当たりするようにぶつかる豊久を、表情ひとつ変えずに土方が受け止めていた。
 ただ、あんなバカ力を正面から受け止めては土方の刀が持ちはしない。激しく火花が散って二人の姿が交錯したかと思う間に、また紅い花びらの渦に姿をかきけした。かと思うと、大剣を下ろした豊久に誘われるまま刀を切り上げて突進する土方の影が見えた。

――お豊と土方さんがバトりたいからバトってみたりするお話。

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大幸妄太郎

Author:大幸妄太郎
ペル2(達淳)・ドリフターズ(とよいち)に
メロメロ多幸症の妄太郎です。女装・SMが好き。
ハッピーエンド主義者。
サークル名:ニューロフォリア
通販ページ:http://www.chalema.com/book/newrophoria/
メール:mohtaro_2ew6phoria★hotmail.co.jp
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