ニューロフォリア とあるスーツアクターと教師ののろけ。
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とあるスーツアクターと教師ののろけ。

もしも周防達哉がスーツアクターに就職したら。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=550999

の番外編?知らなくても読めるよ!達哉がなぜかスーツアクターで
淳たんが小学校教員になってるという設定なだけだから!

どうでもいいけどこういう短いお話を掌篇というらしい。

何はともあれ30歳www
淳ちゃんお誕生びおめでとう!!!!!!
とあるスーツアクターと教師ののろけ。



 全て俺が悪い、ああそうだ。わかっている。久々に春日山高校の制服を着たお前がみたいなんて言い出したせいだ。その上、淳が俺に家事は何にもできないもんね~なんて言うものだから、ついついムキになって「俺にできないことはない!」なんて言ってしまったことも…追加で…。

「あぁーん…」
意地の悪い視線、開かれた薄くて形のよい唇…
俺はそれを見てゴクリと喉を鳴らす。
伸びた薄赤い舌がそれに触れ…歯が柔らかく食い込んでいく。淳はいたずらっぽく目を細め、俺を見下すようにして笑う。と、手にしたそれを…ゆっくりと口からはなしていく。
「ん…んぅ~…」
淳は声を上げながら、伸びていく白いそれを…そこから覗く黒いアイツを口に入れて…味わった!さらにあろうことか、その中から白いクリームが飛び出して、淳の口を汚した…俺はやつへの怒りで爆発しそうになった。
「むぐ…ん…あーおいしいなぁ…クリーム大福」
「ぐおおおおっ!やめろ淳!そんな悪魔の発明を食べるんじゃない!!」
「悪魔の発明なんて大げさだね~、こんなに美味しいのに…もひとつ食べようかなぁ~」
 見下すようにして細めた目で俺を見て笑う。その手には白い悪魔がもうすでに掴まれている!
「なんで…なんであんこの中にさらにあの甘ったるいクリームなんて入れるんだ!!」
 俺は目を伏せて額にしわを寄せる。信じられない、あんなに美しく愛らしい性格の、神々がなせる最高の技術を使って作り上げたような淳が!クリームイチゴ大福なんて口に含み…あまつさえ…美味しいだなんて!
「お…俺が悪かった…もう勘弁してくれ…そんな悪魔の発明はしまうんだ…」
 喉から絞るように声を出す。
「君が僕に命令できる立場だと思ってるの?」
 もう二つ目の悪魔の発明を口に含み、飛び出したあんことクリームで口を汚し、目を細めてうれしそうに口周りをなめる淳…あぁ、なんて恍惚とした表情を浮かべるのだろう…くそ!クリームイチゴ大福め!俺の淳を汚しやがって!
「ぐ…ぐぅ…悪かった…クリーニングに出すのをめんどくさがり…洗濯機で制服を洗った俺が悪かった!だからもう…もう勘弁してくれぇ!」
「ゆ・る・さ・な・い」
 淳はそういうと、もう一つ悪魔の発明に手を…伸ばした。俺はただ泣きながらエロティックにクリームイチゴ大福を口に運ぶ淳を見ているしかできなかった。

 すっかりクリームイチゴ大福への怒りと淳のエロチシズムにやられ、精神的に疲労した俺は床の上にへばっていた。見上げる先、壁には問題の春日山高校の制服がかかっている。いくら特撮の仕事が忙しいとはいえ、ある意味俺以上に忙しいだろう淳に、家事のほとんどを押しつけていた俺は、漂白剤というものの怖ろしさを何一つ知らなかった…あの爽やかな空を思わす水色の制服のあちこちに、白い点が飛び散っていた。俺たちの思い出が最もこもっている18歳のあの2週間の思い出がさらにぎゅっと詰まっているたった一点の大切な大切な制服だ。
「このくらいで怒るなよ!制服だったらまた買えばいいだろう?」
 さんざん淳に責め立てられて怒りが頂点に達した俺は最悪の言葉を思わず怒鳴ってしまった。しまったと思ったがもう後の祭りだ。こちらをキッと見る淳の肩が細かに震えている。
「…ひどい…ひどいや達哉…そもそも達哉が僕に…30も近い僕に制服着てやろうぜなんて…そんな気軽くいったりしなきゃ…勢い余って…かけたりなんかして…汚したりしなきゃ…」
 淳は黙って俯き、怒りで震えていた。スーツアクターをやっていてあちこち忙しく飛び回る俺と、小学校の教員として働く淳、久々に同じ日に休暇が重なり、たまにはいいかなんて…調子を扱いたのだ。
 ちょっといつもと変わった趣向のプレイがしてみたいと思った俺が持ち出したのは…そう、高校の頃の制服を淳に着せて遊ぶことだった。恥ずかしそうに制服を着た淳は相変わらず可愛くて、いや、年齢を重ね、今更高校の制服に袖を通すという羞恥でプライドに傷を付けられ、いつもよりもなお一層恥ずかしがる淳は…数倍増して可愛く見えた。
 いつもだらしない生活をする俺を支える淳…俺のスケジュールの急な変更にも耐えて笑顔で見守ってくれている淳…仕事がどんなにつらくても、よっぽどのことがない限り、俺には語ろうともしないあのけなげな…あの淳が…俺の前で恥じらうのだ!俺のずっと封印し続けていた太陽神も思わず張り切るレベルの破壊力だった。あぁ…可愛かったなぁ~なんて思い出してポケ~っとしていると…
「達哉のバカァー!」
 淳は叫びながらそのまま家を飛び出していってしまった…。と思ったら、たんまりのクリーム大福を買い込み、俺の前で美味しそうに食すという新手の拷問を繰り広げてくれたのだった。
 そして、制服のことを謝ることも反省することもなく、クリームイチゴ大福の恐怖に負けた、そんな情けない俺をおいて部屋を出ていった。今度はどんな悪魔の発明品を見つけてくるのやらと怯えながら、テレビを見ながら淳を待つ。

 しかし、一時間たっても…二時間たっても淳は帰ってくることはなかった…。今日は…2月14日、喧嘩するには最悪の日。バレンタインデーでもあり、淳の誕生日で…そして…

「ただいま…」
 淳がようやく帰ってきたのは午後11時もすぎようかという時間…淳は相当怒っていたのだろうな…と俺は暗闇の中、ぐっと歯を食いしばり、目を閉じる。
 パッと電気がつき、玄関の方を見ると、唖然としている淳が見えた。
「…へ…?」
「誕生日にはちょっと早いけど、ハッピーバースデー淳くん!」
 慣れた狭い視界が淳が怒ってはしないかと内心ビビる俺の心を支えてくれた。正義のヒーローのスーツを身にまとった俺は、立ち上がる。これでどんな悪魔の発明品を食べる淳を前にしても俺は勝てる!
「周防家でオレと握手!」
 スイッチを切り替え、ヒーローモードで余裕を演出するため肩を揺らしながら歩いて淳に近寄り、おずおずと淳が伸ばしてきた手をガッシリと掴む。さすがに淳もだんだんと頬を染めて、にこりと笑う。淳もヒーローが好きだからだ。
「もう、ごまかすのがうまいんだから…た…」
 白いグローブをつけた人差し指をたて、そっと淳の唇の前に寄せる。
「レッドイーグル…だろ?」
 この日のために借りてきた、元祖フェザーマンの特撮スーツ。淳の手がオレの首に回り、コツンとマスクに額を寄せる。俺の視界は淳に奪われてゼロになった。
 淳は周囲を見回すと、困ったようにため息をついて、口を開いた。
「もう…ほんと…ごまかすの上手…だけど、こんなに僕の好きなものばかり集めたら…さすがの僕も胃もたれしちゃうよ…」
 テーブルにはオムライス、巨大なチョコレートケーキ、周りは花で飾りたてた。ちょっとしたお祭り状態になっている。
「お前が早く帰ってこないから…これくらいしないと機嫌が直らないかなーなんて…」
「…呆れたよ…まさか本当に春日山高校の制服買ってくるなんて…」
「バイク飛ばして買ってきた…」
「情けないヒーロー…」
 淳がクスクス笑う。俺はマスクの下で苦笑いをする。
「お前の大切な…いや、俺にとっても大事な制服なのに…不注意で汚してすまなかった…」
「ううん…いいよ…色が落ちただけだもの…僕、何もあそこまで怒る必要なかったよね?だって、制服がなくったって、一番大切な思い出は、こうして側にいてくれる君が一緒に持っていてくれてるのにね?」
 あぁ…淳は本当に優しい。俺の心は淳の優しさに震える。
「俺…俺本当…淳のそばにいられて幸せだ…」
 淳は俺から離れようとしない、俺も淳から離れない。ぎゅっと強く抱きしめる。じっとマスクの向こうから、俺の表情を伺おうと、じぃっと見つめてくる。俺は淳の体をおろすと、マスクを外す。むっとした空気がでていき、汗の粒が飛んだ。マスク越しじゃなく、今度はしっかり淳の顔を見つめる。本当はこのフェザーマンのレッドイーグルのスーツだって、こんな…ごまかしのために借りてきたわけじゃないのに…。
「その…も…じゅっ10年たったろ…?結婚してから…だ…だからその…結婚記念日の…」
 真剣に見つめてくる淳の瞳に心臓が破裂しそうになる。こんなのカメラの前で感じる緊張以上だ…。淳がそんな俺を見てクスクス笑う。
「怖くないよ…結婚記念日の…なに?」
 俺の頬にそっと淳の手が触れる。ひんやりと感じる淳の手に、心が落ち着いて自然と顔が笑顔になる。
「結婚記念の指輪…ちょっとフンパツした…」
 指輪の箱を開けると、アメジストをあしらった指輪がでてくる。
「お誕生日おめでとう…」
 明日は一般的にはバレンタインデーだが、俺にとっては何よりも大事な淳の誕生日…しかも淳の両親はもうすでに亡くなっており、身内と呼べるものはもう、疑似結婚をした俺しかいない。男同士なので籍を入れることもできないので、20歳の時、仕事も軌道に乗っていなかった俺の精一杯を詰め込んだ指輪を贈り、疑似結婚をしたのだ。今年は30歳の誕生日…。
 で、今の俺の手の中にあるのは、20歳の頃の倍はする額を払った指輪。もちろん気持ちは値段で現れるものではないと知っている。でも、これはちょっとした俺の意地だから。それが淳への愛情表現でもある。
「うん…ありがとう」
 ちょっとためらいながら、高校生の頃より似合うようになった銀色の腕時計の上…10年前から外すことのない指輪をためらいがちに外し、今でも白くて細くて…魅惑的な指に新しい銀色の光を放つリングを滑らせる。ずっと長い間俺と一緒にいてくれることへの感謝の気持ち。
「どう?似合う?」
 淳の指を飾るのは、優しい紫色の光。
「似合う似合う…」
 俺はぎゅっと淳の細い体を抱きしめて持ち上げる。淳の手が俺の髪の毛を梳くようになでつけ、俺の首に手を回す。俺も淳の体をぎゅっと抱きしめる。
「ん…スーツの下…結構薄着だね…初めて触ったなぁ…」
 スーツ越しに淳の手が俺の体をなでつける。
「たくましい…みんなのヒーローの体…だね…」
 淳があんまりうれしそうに言うものだから、なんだか胸がくすぐったくなった。
「そうだ…今は…おまえが独占していいんだぜ…」
「もう…達哉ってば…こ…懲りてないな?スーツ汚しちゃうよ?」
「だって淳…すごくうれしそうに言うから…誘ってるのかと思った…」
 淳の顔が見る見る真っ赤になっていく。
「そ、そ、そんなことない!僕は…僕はまじめです!…それより僕…おなか減っちゃったな…君の作ったオムライスが食べたい」
「へいへい…」
「ほ、本当だからね?僕…そ…そんな達哉みたいなこと考えないから!ス…スーツ姿の君としたいとか…そんな…」
 ぶつくさ本音混じりに怒る可愛い淳を宥めながら、二人で食卓に着いた。
「淳は30歳になっても可愛いな…」
 12時を針で示す時計を指さしてやる。
「…もっもう…達哉ってば!」

END

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大幸妄太郎

Author:大幸妄太郎
ペル2(達淳)・ドリフターズ(とよいち)に
メロメロ多幸症の妄太郎です。女装・SMが好き。
ハッピーエンド主義者。
サークル名:ニューロフォリア
通販ページ:http://www.chalema.com/book/newrophoria/
メール:mohtaro_2ew6phoria★hotmail.co.jp
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