ニューロフォリア 5月新刊・奇説 黒田女媧伝サンプル
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5月新刊・奇説 黒田女媧伝サンプル

奇説 黒田女媧伝
【※女体化残酷描写アリのR-18/A5/104P/900円】


奇説 黒田女媧伝の表紙


2012年5月6日 COMIC CITY 89 大阪の新刊。
ペルソナ2罰の特殊イベントに出てくる『周防辰之進×黒田純之介』の妄想話…
なうえに逆説というややこしい話。
本当はゲーム内ではぜんっぜん話が違うんですけど、罰の世界で歴史学者とかがほとんど資料の残らない純之介に対していろいろ意見飛ばしてるんだろうなとか思うと、こんな逆説唱える阿呆も中にはいるんじゃないかみたいな感じで書きましたwww(8月にゲームのストーリーに近い正統派を出します。許してね><::)
   ーそれは、月刊「メー」に送られてきた封書。

 なんせ月刊「メー」は宇宙人がだの前世がだの世界滅亡だのなんでもござれのトンデモ雑誌だ。少なくともこの編集部に勤めている人間のほとんどはそういったSF小説を読んで育ったような、どこか大人になりきれぬやつらで構成されている。編集長だって今でも宇宙人もネッシーも信じている。
「世界滅亡ですもんねー…ところで編集長、さっきまで読んでたアレなんですか?」
 編集がデスクに置かれた茶封筒を指さす。
「くだらん仮説だよ。ありえもしないトンデモさ」
「編集長がそれいうかー…」
 眉根にしわを寄せて編集長は不機嫌そうに言う。
「ふん。くだらんぞー簡単に言えばだな、周防辰之進の子どもは、あの黒田純之介との子どもで、実は純之介自身が女媧だったとか…」
「うへぇ…とんでもない事実無根の創作だ…」
「しかも、澄丸清忠は善人だった…とまで言う」
 男は窓を見た。淀んだ暗い空にそびえ立って見えるのは巨大な日本建築の城、珠閒瑠城。
「あんな恐ろしげな城を造る奴が善人だなんて思えないな…しかも周防辰之進が悪者なんだとよ…」
 編集長が茶封筒をポンっと叩く。
「いるんだよなぁ…こういう逆説を唱えたがる奴…」
「いますいます…」
 男はだるそうにシャープペンシルを回し、後ろのキャップ部分であごをちょんとつつく。
(でも、逆説かぁ…それもまたロマンなんだよなぁ…)

 編集長のデスクに置いてある分厚い茶封筒には大きな文字でこう書いてあった。

『黒田 女媧伝』と。

◆ ◆ ◆

海を渡った先にある大陸に伝わる神、巨大な銀の龍・女媧、彼女は愛する夫を失い絶望し、
彷徨ううちに像に封印されたまま日ノ本へと渡ってしまう。

そして、目覚めたときには女媧の姿は人間の女へと変化していた。

命の恩人である見目麗しい武士、周防辰之進と出会った女媧は恋に落ちる。
辰之進もまた女媧の美貌と純粋な心に引かれていく。
しかし、女媧はこの時、彼が運命の人になるとは気づく由もなかった。
出会いは一度きりだと思われたが、再会は思ったよりも早かった。
しかし、女媧が神であることに変わりはない。
この恋は実らない。そう思っていた。

   ーそしてアラヤ神社で起こる奇跡。


 女媧が目線を降ろすと、目を疑った。乳房が消え失せ、体からは丸みが無くなり、下半身には男性器が生えていた。
「…えぇ!」
 突然混乱を始めた女媧をみて辰之進は笑いながら、黒髪を撫でつけた。女としての扱い…というよりも、どうしようもないいたずらな子どもに優しく注意をしようと言うような…そんな態度にもどうしていいかわからない。
「ははぁ、さては物盗りにやられたのだな?可哀想な奴め、送っていってやろう、家はどこだ」
 辰之進の笑顔は優しい。
「家は…ありません…」
 辰之進の表情がふっと変わる。何かに気づいたような…気づかないような。一瞬辰之進の表情が寂しげに変わる。
「もしかして名前も…ないのか」
 女媧は黙って頷いた。
「…家族もいないのか」
 女媧は着物を掻き抱いて体を隠すとじっと辰之進をみた。真っ直ぐな女媧の視線に戸惑ったようだったが、痣だらけ、傷だらけの体でうまく立ち上がることもできない女媧の体を抱きしめると、抱え上げて、アラヤ神社の社から出ていった。女媧は床に銀色の欠片が散っていること、自分が一生懸命に握っていた鱗が手元から無くなっていることに気づいて、ハッとした。
「神は同じ社に同居することを望まないと言う。罰が当たらぬ間に、早く出てしまった方がいいな」
 そういって辰之進は笑う。女媧はただ、落ちないように辰之進の首に手を回した。鱗が知らぬ間に、女媧の願いを叶えたとでもいうのだろうか…。それにしても…なんで男の身体なんかに?


   ―主君から女媧を殺せとの命を受けた辰之進は、愛しいものを殺したくないがために、
    男になった女媧に新しい名を与え、生まれ変わった存在として女媧を傍に置くことに決める。
    もうすでに辰之進を愛していた女媧は、辰之進の言うがまま、
    純之介という名を受け止め、彼の傍にいることを誓う。


    ―そして初めての契り…

 何をするでなく、ただじっくりと美しい物を観察するように、丹念に白い肌を眺める。胸には薄桃色をした可愛らしい突起…神だ龍だといっても体の構造は変わらない。
 ふいにこの柔らかい肌に吸いつきたくなって唇がうずいた。紅潮していく辰之進の頬を見て、純之介の瞳は潤んだ。その愛しげに丹念に自分の体を見るこの主君が心底愛しい。障子を抜けてわずかに入ってくる光はやわらかく辰之進の栗色の髪を艶めかせる。それを純之介は目を細めて眩しそうに見る。
 二人とも遠慮がちに、手を伸ばす。純之介の腕はまっすぐと辰之進の肩に…辰之進の手は震えるように純之介の腰を抱きしめた。触れあった瞬間、求める気持ちを押さえていたものがプツンと切れ、緊張で出すに出せなかった吐息を漏らす。暖かい吐息はそれぞれの肌を湿らせた。二人の気持ちが一つになり、乱暴にお互いを抱きしめた。ただ相手を愛したいという心で満たされる。
 辰之進の手がまだ新しい純之介の袴に手を掛け、紐をほどいていく。するりと袴が落ちると滑らかな肌に手があたり、一瞬遠慮するように震えたが、しっかりと太股に触れる。壊れ物を扱うような態度に焦れるように、純之介は妖しく微笑みを浮かべ、体を持ち上げる、二人の視線がぴたりと同じ位置にくる。あんぐりと開けた口で辰之進の唇を咥えこみ、じゅるりと唾液をすすった。純之介も早く辰之進がほしくて仕方がないのだ。ずっと我慢をしていた辰之進の体がびくんとはねる。細められた純之介の瞳からは感情が消え失せ、ただ辰之進の体を求めることに一点集中するかのように動き出す。
 口の中に舌を差し入れられ、柔らかく愛撫をされる。脳髄がしびれたようになる。初めての感覚にどうしていいかわからなくなる。戸惑う手が純之介の腰に触れた。首に回された手がするりと着物の中に入ってくる。襟をゆるめられて、徐々に着物が脱がされていき、お互いの肌がじんわりと合わさっていく。触れ合う肌の感触に陶酔した。


   ―それは女としての愛から、主従という男同士の関係へ変わりゆくための
     儀式だったのかもしれない。


 辰之進は純之介と秘密の夜を過ごし、愛を確認しあったせいか、最も信頼に足る者だと見るようになっていた。純之介もまた、体を預けた辰之進に対して命を預けることに抵抗がなくなっていた。
 朝の稽古はより激しさを増す。真剣と真剣が打ち合い、火花を散らす。本気の殺し合いにも似ていた。
「純之介…なんだその型は…」
 すばしこく攪乱するように動き、辰之進でさえあまりの素早さに太刀筋を見失う。
「ふふふ…鳴羅戸一族の…書物を見つけ出してしまいました…」
 前まで刀で打ち合っていたが、純之介は突然小太刀にこだわるようになっていた。早さを武器にする動きに翻弄されると、辰之進はむぅと唸った。
「この…ふふ…生意気な…忍の技を習得したと申すか…!」
 辰之進はにやりと笑う。本当に純之介は賢い。全てをするりと吸収し、我が物に変えていく。力の弱いことを気にしていた純之介が見つけた、活路、それがこの素早さを生かす鳴羅戸流だというのだろう。純之介の頭の賢さに辰之進は誇らしくなる。
「…はい」
 純之介は意が伝わったかと目を細めて笑う。
「純之介はっ…辰之進さまの…物ですからっ! 更に使える物に…育たねば…!」
 太刀を打ち合い、力の勝負になれば、さすがの純之介もたじたじになる。
「ふん…心得たものだ…」
 純之介も荒い息を放ち、額に汗を流しながら 応えて笑う。打ち合わせた刃に押され、純之介は弾き飛ばされ、地面に尻を打つ。辰之進はニヤリと笑いながら喉元に刀の先をぴたりと置く。
「参りました…」
「付け焼刃にしてはよくやった」
 辰之進は刀を鞘に収める。
「精進いたせ…」
「御意」
 純之介は眩しそうに辰之進を仰ぐ、辰之進はニヤリと笑うと、そんな純之介に背を見せた。


   ―やがて戦国の世は二人を巻き込んでゆく。珠閒瑠の地に穢れが沸き起こる。
     そんな中、男として辰之進への信頼を、愛を手に入れた頃、
      また純之介の体は女へと戻りだしていた。翻弄された純之介は苦悩する。


 珠閒瑠城内が近頃慌ただしく、常に殺気立っている。平和だった頃の家族のような関係はほとんど見られなくなった。澄丸派、周防派が露骨に 表に出始めた。
 辰之進はまだ表だって清忠に反抗を示さぬが、皆が慕ってくれているのはうれしいという立場を 貫いている。一度、清忠様に訴えるべきだという 周防派の声に耳を傾けだしているが。だんだんと辰之進自身にも変化が訪れ始め、少し天狗になっている面も見えた。
 純之介はどんどんと女の体になっていくことが 不安で仕方がなかった。女・穢れ・内部分裂、それが示すものは、少し昔、純之介が滅ぼした海賊の一団や、鳴羅戸一族を思い出させた。
「純之介…隠すな…言え…何時ごろからだ」
 夜、青白い月光の中、裸に剥かれて立たされる。少し膨らんだ乳房、腰から尻へと続く滑らかな 体の線…。純之介の体はすっかり少女のようになっていた。元の女媧だった時のように妖艶さはないが、もう男だという証拠は前より小さくなった男性器くらいのものだった。
「…数か月ほど前から…」
 か細く声を上げる。高くなってしまった声が怖ろしい。徐々に徐々に女に戻っていく体が怖かった。
「そうだな…三月前ごろか…俺を拒みだしたのは」
 純之介は目をそらす。女媧としての自分が蘇りつつある。本来なら喜ぶべきことなのだろう…力もだいぶ強まった。どんなことがあっても、辰之進を守りきる力を純之介は備えている。しかし、辰之進はそうは思っていないようだった。辰之進は純之介を手招きした。恐る恐る傍に行くと、腕を引かれ、裸の体を抱きしめられる。
「俺を…置いていくのか…」
 意外な言葉を掛けられて純之介の体がぴくんと動く。
「た…辰之進…さま…」
「女媧に戻ろうとしているのだろう?もうおまえは…純之介ではなくなるのだろう…」
 もしこのまま、力が戻っていったとして、完全な神に戻るということは、人間の傍にはいられなくなるかもしれないということ。巨大な龍の姿では、辰之進の傍にいることはできないだろう。

 純之介は痛みに悲鳴を上げる。辰之進の動きがだんだんと激しさを失い、瞳に優しいような、悲しむような光が宿る頃、純之介の上げる声もだんだんと艶めかしく変わっていく。懐かしい女の快楽。そして…男の快楽…両方が純之介の体を攻る。
「うう…辰之進さま…あっ…あ…嫌わないで…」
「嫌うものか!嫌う…ものか!穢れなんてない…おまえの中にはそんなものはないんだ…!」

    ―運命はどこまでも縋り付きあう二人を翻弄する。どこまでも残酷に、残酷に…。

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大幸妄太郎

Author:大幸妄太郎
ペル2(達淳)・ドリフターズ(とよいち)に
メロメロ多幸症の妄太郎です。女装・SMが好き。
ハッピーエンド主義者。
サークル名:ニューロフォリア
通販ページ:http://www.chalema.com/book/newrophoria/
メール:mohtaro_2ew6phoria★hotmail.co.jp
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