ニューロフォリア 白いあの人が遊園地の校長室で愛について考え警察に追われるお話
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白いあの人が遊園地の校長室で愛について考え警察に追われるお話

妄太郎へのお題は
『白いあの人が遊園地の校長室で愛について考え警察に追われるお話』
#jikakio http://shindanmaker.com/3104
ツイッターのお遊びをやってみたよ!!!
学校の怪談のアトラクションの一室にジョーカーはいた。人々を嘲笑うかのように裂けた唇の頭部全体を覆う特殊な仮面を隣において、しつらえられていた立派な革張りの椅子に座り、年月がなんともいえぬ風合いを出す深い色の木の机に身を預けていた。そこは入り口に「校長室」と看板がつけられていた。ここはこの「学校の怪談」アトラクションのゴールであり、ここまできた証拠の卒業証書がいくつか置いてある。これを持って引き返せばこのアトラクションは終了という形だ。
 しかし、引き返さなければならないという性質上、めんどくさいやら長いやらで人気の方はいまひとつだった。だから滅多に人が来ない。遊園地で遊ぶ子ども達の笑い声、ジェットコースターの轟音、そして心がうきうきするような、そんな音楽…。ジョーカーは考えていた。
(僕は道化師だから、きっとこの場にいてもなんにも違和感はないだろう)
ここは憩いの場所だった。
それに特殊な模様が入っているとはいえ、一応衣装は学ランだ。ジョーカーはピエロ、本当ならもっとハデで現実感のない衣装を身にまとうべきなのかもしれないが、わざわざこんな正体がバレてしまうような格好をしているのは、もしかして、何処か皆に気づいて欲しいと思っているからかもしれない。
(そう…一番気づいて欲しい人がいる。だからいくつもヒントをあげたのに…)
何回姿を現しても決して気づく様子のないアイツにジョーカーは少しイライラしていた。それは八つ当たりといわれてもしかたのない衝動だ。それでもアイツを思うと頭がぼうっとなり、胸が詰まったようになる。吐く息はしめっぽく、自然と溜息になってしまうのが悔しくて仕方がない。自然と求めるのはただ一人だった。愛は人を詩人にするという、今のジョーカーの胸の中にもぽつりぽつりと詩が浮かぶ。こんな切ない思いにするアイツに、ジョーカーは知らぬ間に恋をしているに違いない。
(…達哉…)
ジョーカーは目を閉じた。少しくらい眠ったっていいだろう…。認めよう、僕は達哉を愛してる。だから、夢を見せて欲しい。夢の中でくらい愛しい人から愛されたっていいだろう?
 あまりに多くの雑事に負われ、疲れ果てていた。集団を指揮するということはいつも何かに負われること。覚悟はしていたが、やはりまだ高校生のジョーカーには少し荷が重かった。
甘えたい…すがりたい…でもそれは許されない。だからせめて…夢の中で…。誰よりもしっかりと受け止めてくれた正義のヒーローに出会いたい。
 しかし、ジョーカーの安息の地はここでもなかったのだ。
『目撃情報があったのはこの周辺か!』
『そうです!あの野郎…何処行きやがった!』
にわかに子ども達の笑い声は消え、ジェットコースターの音と賑やかな音楽だけになると、ざわつき声が辺りを支配しだす。警察だ、誰かがジョーカーの姿を見て通報したのだろう。どう相手をまこうか頭の中で冷静にシミュレートが始まる。魔法を仕えるジョーカーは、いくら警察官とはいえど、一般人が相手をするには大きすぎる相手だ。力の差を知っているからなるべくこちらが逃げきることを考える。
「…来ちゃったか…」
 ジョーカーは眠い目をこすって道化師の仮面を被る。
「ちょっとくらい…寝かせて欲しかったな…」
 ジョーカーを甘えさせてくれるはずの腕は、今もどこかで眠った記憶を抱いている。その記憶が起きたなら、そっと場所を代わって欲しい。今度は僕がその腕の中で眠るんだから…。

END

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大幸妄太郎

Author:大幸妄太郎
ペル2(達淳)・ドリフターズ(とよいち)に
メロメロ多幸症の妄太郎です。女装・SMが好き。
ハッピーエンド主義者。
サークル名:ニューロフォリア
通販ページ:http://www.chalema.com/book/newrophoria/
メール:mohtaro_2ew6phoria★hotmail.co.jp
(★を@にかえてください!)

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