3/31 COMIC CITY 大阪93 4号館C-60a
「ニューロフォリア」既刊全て持っていきます!!
おまちしてまーっす*><ノペルソナ2プチオンリー、P2Fのチラシ配布行って来るよおおおおお!!!!今回はなにをとちくるったか詩達淳無配コピ本持っていきます。
タイトルは長くてとちくるってる感すさまじいですね!!
「ちょっとカワイイかもって思ったから、キマグレで年下の男を拾ってきたんだけど、なんかナマイキに説教とかしてきてウザイんですけど。」よかったらこちらも手にとって見てください!!><*
小部数配布ですが、2,3ヶ月したら全文ブログとpixivにアップするので、
ご本の形でほしいという方がいらっしゃれば……本イベントにてぜひゲットしてください!!
よろしくお願いします!!
↓無配本だけど一応サンプル
ちょっとカワイイと思ったから、年下を拾った。
昔、家で飼ってたゴールデンレトリバーの情けない顔……それにとてもよく似た顔してるから……連れて帰ろうと思った。
そう、犬みたいに使えばいいの。彼が欲している真実という餌を目の前にたらして、命令するの。
「ねぇ、須藤竜也を殺して」
彼はうなずいたわ。それでいいの。
達哉君を拳でポコポコ打ちすえる。制裁。
「だから!言ったでしょ!下着にはさわらないでって!」
「す、すまん……」
本当によく似ている。ほら、これ、どうしていいかわからなくて困った顔、似てる。ジョンに似てる。拓也といっしょにかわいがっていたゴールデンレトリバー。
まだ拓也がいたころは私、クラブもあったし、拓也は宿題が終わらないって頭かかえてた。だから、普段はいっしょに散歩なんてできなかった。でも、二人で犬、飼いたいねっておねだりしてできた新しい家族だったから、散歩はかかさず当番制。最終的には父さんも母さんも、ジョンに夢中だった。夏休み、二人でいつも散歩に行ったわ。うれしかった。たのしかった。
「最近、本当物騒なんだから……っていうか……私だって女なのよ?他人に下着洗われて、不快な思いしないとでも思ったの!?」
デリカシーがない。最悪。拓也だったらこんなことしないわ!あの子は心遣いのできる子だった。あなたぐらいの年までちゃんと育ってたらきっと、紳士に育ってる。
「だからっ!お風呂入るときはちゃんとこの札を表に出してって……!」
「す、すまん……」
家から帰ってきて怒ってばかりだった。非番の朝、たまった洗濯物を干さなくちゃ……と洗濯かごを見ると、すっからかんになっていた。
いやな予感がして脱衣所にいけば、一張羅の赤いライダースーツの上にエプロンをつけて、私の服を洗濯している達哉くんに出くわした。それが今朝のこと。
さっきは真っ暗な部屋、不審な音がしたから、もしかしてドロボウかと思って入ったら……脱衣所に全裸でキョトンとしている達哉くんがいたのだ。ちゃんとこういう事故が起こらないように、ダンボールで急ごしらえだけど、入浴中の札もつくった。一応、男と女なのだ。最低限のルールは守ってもらわないと、安心して生活できない。
私が怒ると、達哉くんは、ジョンみたいな顔をする。
◇ ◆ ◇
目の前では、ショボけた顔のゴールデンレトリバー。私が全部悪いのに、彼は緑茶を買って頭を下げて戻ってきた。家に入れると、彼はそそくさとその緑茶を入れてくれた。私はそれを、飼い主らしくふんぞり返って待っていた。そして、おいしい緑茶を楽しんだ後、こうして目の前に家出した犬をおいて説教タイムのはじまりだ。
「あなたは私の共犯者。私はあなたに須藤竜也を殺せと命じた」
「……だな……」
情けない表情を浮かべながら、両手で湯呑みをつかんでいる。
「……すまん。私情は捨てるべきだった」
達哉くんは、さみしそうにほほえんだ。
「俺が近くにいれば、須藤は淳に近づけない……そう思っていたんだ。現に、アイツは俺の気配を感じて、淳のまわりに姿を現すことはなかった」
しばらく湯呑みをもてあそんでいたが、困ったようにため息をついた。
「……淳を守りながら、あわよくば、須藤竜也との接触もねらっていたんだが……」
「……その淳って子と、須藤竜也の関わり、聞いてもいい?」
きっと彼は首を横に振る。ほら。
「そうすればあんたは、淳に接触しようとするだろう」
「……そんなにあの子が大事?向こうの世界が……大事?」
「大事だ」
すごく寂しそうな笑顔で、達哉くんは迷いなく言った。私は、はぁ……とため息をついた。彼のバリアーを破る自信がない。私が持っている真実は全部使い果たしたから……。本当なら、達哉くんがこの家に帰ってくる理由はもうないから。
しばらくの沈黙の中、達哉くんはポケットの中でジッポーをいじりながら、目をそらした。戸惑ってるの?いらだってるの?
「……その……詩織さんは……俺の昔話なんて、聞きたいか?」
すっと息を吸い込んだ音が聞こえたと思ったら、達哉くんはそう言った。
「……話して……もっと早く話してほしかった……」
はじめて、達哉くんの方から……心を開いてくれた。私、どんな顔してたんだろう。達哉くんは、口のはしに笑みを浮かべた。
「十年の歳月で、俺は、何より大事だった親友の淳を忘れてしまった……淳はその間もずっと、俺のこと覚えていて……だから、ずいぶん苦しむはめになった……」
コトン……テーブルの上に、ジッポーがおかれた。
「こっち側の世界に来て、気づいたんだ……今度は、逆なんだ
……俺が淳をずっと覚えていて……淳は俺を忘れている……」
ジッポーを握る手に、力がこもる。
「十年の歳月って……ものすごく大きいんだ……取り返しが
つかない……」
「知ってるわ。私だってそうだから……」
少しずつ消えていく面影。